お山のてっぺん。

「あなたこそなんなのよ!」


ずいっと俺に責めよってくる。

綺麗すぎる瞳が、俺を映していた。


「俺は…その…」


迷子になった、はなんだか恥ずかしくなった。

だって、隣の席の人だし。

だから。


「…探検?」


「聞かれても知らないわよ…」


はあ、とため息をついて。


彼女は机に戻り、まだ途中のお弁当箱を包み始めた。


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