終わらない七月九日
キーンコーンカーンコーン。

「はっ!!」

学校のチャイムの音で、私は勢いよく起きた。
テストを受けている最中にどうやら寝てしまったらしい。

「じゃあ書くの止めて回収して下さい~。名前は書いてあるかちゃんと確認してね~。」

先生のその言葉で、私は自分のテスト用紙を見た。
『二年二組 新谷 光』
名前も回答欄も一応全部埋まってる。大丈夫。私は後ろから送られてきた回答用紙を、前の席へ渡した。

「光、さっさと帰ろうぜ。」

話しかけて来たのは、少し離れた席に座っていた工藤ナツ。名前的に女と間違えられるとよく嘆いているが男だ。

「つーかお前寝てるときイビキかいてたぜ?」

ニヤニヤするナツ。

「かくわけないじゃん!!ナツウザいんだけど!!」

「必死かよお前!!」

ナツはいつもこうやって私をおちょくってくる。

「ようやく二学期最後のテスト終わったね~。」
< 4 / 34 >

この作品をシェア

pagetop