七色マーブル【短編集】
私が手紙を書いている相手は学生時代に出逢った人だ。


同級生2人と写真の「三人展」を開いていた時だった。彼女は同じ階の隣のスペースで絵葉書の個展を開いていたのだ。


「貰い物で悪いけどおすそ分けするね。うちのお客さん年配者が多いからアンコばっかりでさ。」


ケラケラと気さくに笑いながら話かけて来た彼女と私達は、あっという間に仲良くなった。


展覧会の差し入れは何故か甘いものが多い。私達は和菓子のお返しに洋菓子を用意して、一緒にコーヒーを飲んだ。


その時貰った絵葉書には、赤いハマナスの花が伸びやかに描かれていた。


後日、お礼に手紙を出したのがきっかけだった。


それ以来彼女と手紙をやり取りするようになったのだ。


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