七色マーブル【短編集】
彼女の便りは私のとはまるで違う。葉書の中央に悠然と弾ける様な、勢い溢れる独特のタッチで季節の花だとか野菜が描かれている。


その絵の空いたスペースに一言、

「呑んでますか?」

「空が高くなりましたね。」

「毎日暑くてとろけそうです。」


なんてシンプルな言葉が添えられている。


世界に一枚、私の為だけに描かれた絵葉書。


とても嬉しく思う。


今回はどんな素敵なのが届くのだろう?


そうやって待つのも結構楽しい。

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