七色マーブル【短編集】
そして数日後、彼女から絵葉書が届いた。


ワクワクしながら手に取ると、そこには…驚くほど下手糞な絵があった。ヨレヨレで強弱の無い線、まばらに乗せられた色。これはどういう事だろう?


おそらく朝顔であろう花の絵の横に、これまた解読し難い字がある。

手…を骨…折しま…した。

骨折!?


驚きと同時に心配になった。絵を描く事が何よりも好きな彼女、気を落としてはいないだろうか?


私はすぐさま携帯電話を手に取った。彼女のアドレスを見つけて番号をコールした。


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