七色マーブル【短編集】
「ほうほうほう、なるほど…な。」


教授の顔は至極真剣である。にも関わらず口の端には笑みが含まれていた。これは教授に、妙案が浮かんだ時に見られる仕草である。


「あいわかった。それでは君に1つ提案がある。」

「なんです?」


青年はずずい、と身を前のめりにした。


「君は7人で1人を愛してしまったが、僕は1人で7人を愛してしまった少女を知っている。」

「はぁ。」

「この似て否なる境遇。互いにぶつけ合えば何か別の作用が働き、新たなエネルギーが生まれる筈だ。そう思わんかね?」

「いや、うーん…教授がそう仰るなら…そうかもしれませんが…」


青年は何だかいまいち気乗りしない様子ではあったが、教授が強引に話を進めた。


「それでは日は追って伝えよう。では…」


教授はひらり、と白衣を翻し席を後にした。


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