七色マーブル【短編集】
【解答はこちらにて】


「ははは、緊張する必要はないさ。見ればわかるよ、悪い奴じゃない。互いの為に腹を割ってみるんだな。」


「はい。それで何かが変わるならば、私やってみます。」


長く薄暗い廊下にコツコツと、ヒールの音が響く。少女は若干緊張の面もちである。


「では入ろう。彼は先に中で待っているから。」

「はい。」


教授は軽く2回ノックをするとドアをぐい、と勢いよく開けた。


「やあ、待たせたね。連れて来たよ、こちらが…」


「あっ!」
「ああーっ!」


2人は顔を見合わせると同時に声を上げた。青年は立ち上がりバン、とテーブルを叩きつけ、少女の後頭部で束ねられた栗色のしっぽがぴょん、と飛び跳ねた。


「ははは、こういう事さ。」


教授は1人高笑いをし、満足げな顔をしている。


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