七色マーブル【短編集】
「実はこの話にはもう１つ裏があってね。この２人はうちの病院で生まれたって事、君に教えたよね？」


教授は１度カーラの視線を外して咳払いをした。これは教授が照れ隠しをする時の仕草である。


「聞いてます。確か２人とも体外受精でしたよね？」

「そう。そこで彼らは自らを形成する前に、同じ７の世界にいたんだな。」

「７の世界…？」


カーラは指で自分の頬をプニプニとつついている。これはカーラが考え事をしている時に見られる仕草である。


「あっ…液体窒素ですね！卵子や精子を凍結しておく為の。」

「そう、液体窒素。窒素の原子番号は７だね。７が結ぶ仲は偶然か必然か…２人は同じ機体に居た記録があったよ。もしかすると、試験管に居た時から恋をしていたのかもしれないねぇ。」

「そうだとしたら、なんて素敵なのかしら…」


カーラは実験台に寄りかかり、天井をぼうっと見つめた。それを見た教授は眉間に皺を寄せ、しまったという顔をした。


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