七色マーブル【短編集】
【第３の悩み事】


「そう、私は愛してるの。教授、いつになったら私を受け入れてくれるの？」


カーラはいきなりがばり、と教授に抱きついた。


白衣の下に着ている赤いキャミソールから覗く、色白の豊かな胸が教授の視界に飛び込み、教授は慌ててカーラを引き離した。


「もう、根性なし！」


カーラはいつもの様に、かなきり声を上げている。


「だからいつも言ってるじゃないか！いくら君が天才少女で魅力的な容姿を持ち合わせていようとも、君は僕の大切な娘だって。」


教授は慌てふためきポケットからハンカチを取り出し、汗を拭いている。


「何が娘よ。血はまるで繋がってないじゃない。どうせ引き取ってくれるなら娘じゃなくて、妻としてが良かったわ！」

「そんな無茶苦茶な…養子として引き取らなければ、僕らが知り合う事がなかった訳なんだから。」

「うー、私にはわかるの！前世か何かで私達は繋ってた筈よう。そのぐらい愛してるんだから！」


カーラは地団太を踏みならす。先程の色香はどこかへ消え失せ、今はひたすら子供の様に聞き分けがない。


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