七色マーブル【短編集】
予定より20分遅れで目的地へ着いた。

いつものように見知った赤毛のすれっからしに、支払い済みの紙切れを渡した。

「…珍しく今日遅いじゃん。とっくに始まってンよ。他の連中に睨まれてもしらないからね。」


すれっからしはそう言うと、手にしていたロリ・ポップを口内で弄びながら、俺に紙切れを返してきた。

駆け足で建物の中へ入った。重厚で安っぽい扉をそっと開け、分厚いカーテンをくぐり抜けた。



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