七色マーブル【短編集】
期待を膨らます事数時間。


ソファーに座りテレビに向かい、チャンネルサーフィンをするも頭に入らない番組内容。


「…遅いっ、もう24時になるじゃん。今からじゃどこもやってないよー。てか携帯出ないし…」


ブツブツ文句を言う自分にもちょっとイラっとして。


「ふんだっもういい、寝てやるっ」


ふて寝。腹が立つと眠れないもので…とか言いいながら気がつくと眠りに落ちていた。


…所に、肩を揺する手。


「カナ~、行くよ~起きて!」

「…んあ。」


目を覚ますと超笑顔のシゲ。


「ちょっ…遅いっ!今からってどこ行くつもりよっ」

「遅くなってごめんね。月でも見に行かないか?」

「…月?」

「明け方のは綺麗だよ。」


枕元の時計は午前3時を指している。シゲの何の変哲もないゆるい笑顔を見ていたら、怒っていた自分がバカらしくなってきた。


「ん…行く。」

「よし、じゃ着替えて。暖かくしなよ。」

「…うん。」


考えていたオシャレな服は諦めて、結局はジーンズにフリース、マフラーなんて地味な格好になってしまった。


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