七色マーブル【短編集】
ひと悶着が収まった所で、俺達は持ち前のチームワークの良さで用事を済ませてゆく。


親戚への連絡、葬儀の手配に数々の書類の提出や財産の処分。


人が死ぬと本当に忙しい。


けれどもそれでいい。やらなければならない事があるうちは、悲しんでいる暇など無いのだから。



「棺桶には故人が大好きだった物を入れてあげて下さい。」



そう言われ、親父の好きだった将棋の駒と、大切に使っていたネクタイを入れる事にした。酒瓶も入れようとしたら断られた。


日本では骨を残す為に遺体を低温でゆっくりと焼く為、ダイオキシン発生の恐れがあり色々と規制があるらしい。


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