王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
「んなことさせるかよ」
小さく呟いて、エリナの指先ごと禁断の青い果実をパクリと口に含んだ。
途端に懐かしく甘い香りが広がる。
それを見てホッとした顔を見せるエリナが、愛おしくて仕方がない。
引き寄せたエリナの身体を片腕で抱きしめ、顎を掴んで上向かせる。
「ずっと俺の側にいろよ」
何よりも自分を守ろうとしてくれる、華奢で柔らかい身体を抱き込み、彼女が瞬く間に唇を重ねた。
「んっ……」
エリナは少し驚いた表情を見せたが、怯えた様子はなく、キットにそっと身体を預けてくる。
彼女がうっとりと目を閉じた隙に、一気に唇をこじ開け、舌の上にのせた禁断の青い果実をエリナの口の中に押し込んだ。
「んん!?」
エリナはびっくりして目を見開き、それを舌で押し返そうとしてくる。
単なる軽い愛情表現にしては濃厚すぎるキスを始めたふたりに、ウィルフレッドとランバートはぽかんと口を開け、ウェンディは顔を真っ赤にして慌てて俯いた。
部屋の中に白い光が溢れて、ついに太陽が昇り、8日目の朝がふたりの身体を包み込む。