平行なまま。
次の日
待ちに待った私の誕生日
登校の準備を進める私の顔は自然と綻んでいて、昨日の出来事さえ忘れきっていた
それほど楽しみにしていたんだ
私の一年間で特別な日
それをいっちゃんが祝ってくれる
プレゼントなんて本当はいらない
「おめでとう」
その一言だけで充分なんだよ
家を出る時間になった
大好きなお母さんに行ってきますと笑って家を出る
ドアを開ければそこには私の大切な人が今日も変わらない優しい笑顔でそこにいる
「おう、おはよ
昨日はごめんな」
「ううん!
なにかあったの?」
何気なく尋ねた私から目を反らしたいっちゃん
その表情は、私に向けた事がない様な嬉しそうな顔だった
「…いっちゃん?」
「ん、まぁちょっとな
‥それよりホラ」
頭の上にポンッと何かを置かれ、それを手に取って見ると可愛らしい包装紙に包まれた箱が1つ
「誕生日おめでとう、陽菜」
17歳
少しだけ大人になった私
その瞬間をいっちゃんといられる事は何より嬉しくて
自然と出た笑みは本当に本当に幸せを感じてた
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