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「ねえ、島崎君。」

「怜央。俺、怜央。」

「うん、知ってるよ。

 島崎 怜央君でしょ?」

「だからさ、怜央って呼んで。

 俺も、花崎のこと真理奈って呼ぶから。」

「イヤ、呼ばないで。

 お願い、花崎にして。私の島崎君て呼ぶ

 から。
 
 お願い。」

「なんでだよっ!!」

だって、真理奈なんて、カップルみたいだよ。

渉でさえ呼んでいないのに。

他の人が呼ばないで。

華でさえ呼ばない名前を

今日知り合った人がよばないで。

それに、その名前は私の嫌いな名前。

そう、簡単に呼ばないで。

「なんか、理由があんだろ?

 そんな、悲しそうな顔すんなよ。」

「ごめん、島崎君。」

「いいよ、でも、俺のことは怜央でいいよ。」

「怜央君。」

「いや、君はいんねぇよ」

「怜央」

「それがいい。」

怜央はそう言って、ニカっと笑った。

「怜央は笑った方がいいよ。」

そう言った後、睡魔に襲われた。
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