無料恋愛
「ってことで、真理ちゃんに謝ってこい。

 真理ちゃんが放課後に来ないと困る。」

お前もだろ?

そう言いたげな龍の目が俺に向けられた。

苛めったって言ったら人聞きの悪い。

ただ、好きな女にちょっかいをかけただけ。

「お前も知ってんだろ?

 真理ちゃんのデートの侮辱は禁止。

 奪おうと思うことも禁止。

 好きならただ思っているだけ。」

ファンクラブのルール。

そして、花崎の周りの暗黙の了解。

「知ってるし・・・」

奪おうなんて思ってない・・・

だって、あの時の花崎の顔はとても幸せそう

だったから。

それでも、あいつがうらやましい。

何もしずに、花崎の横にいれる光石が。

花崎にとってあいつの存在のでかさは分か

る。

俺もあの場所を目指していたのに。

でも、その場所にいるのは俺じゃねぇ。

他の男ってだけで、奪いたくなる。
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