降り注ぐのは、君への手紙
イマイチこの男のことはつかめないが、まあいいや。
しばらくは相棒ということになるのだろうし、このペースに慣れるのが一番いいのだろう。
「……もう一枚手紙書いてもいい?」
「ダメですよ。死者に対して手紙は一通だけです」
「でも俺死んでないんだろ?」
「時間の問題じゃないですか」
「違う! 俺は絶対生き返るんだ」
「……仕方ないですねぇ。もう一度だけですよ」
ヨミは一枚の便箋を取り出した。
よくよく見るとこれって透かしで念仏みたいなの書いてあるんだな。
こえー。呪いの手紙みてぇ。
「書き終わったらもう一杯珈琲入れてくださいね」
「分かったよ!」
サラサラとさっきとは違い素直な想いを一気に書き綴る。
お前が幸せになればいいと願った最初の手紙も嘘ではないけれど、
俺が幸せにできたら一番いいんだ。
だってその場合、幸せが二人分ってことで一石二鳥だろ。