天邪鬼なボク。
竜side

廊下で待っていると、首にタオルを掛けた雅兄が出て来た。


雅「うおっ、びびったぁ。

まだ大と翔と仁が入ってないからお風呂保温にして置いてね。」

雅兄はそういいながらリビングへ戻って行った。


シャワーからお湯をだすと、曇っている鏡をシャーッと流した。

なんか少しスッキリした。

湯船に浸かって、顎まで浸かってみた。

体中が暖まった。いつの間にか涙が出ていた。


そういえば最近兄ちゃん以外の家族と全然話してない。

家族のぬくもり、って、どんなのだったっけ…?

そう考えると、俺って寂しいやつだなと思った。


しばらく入っていると、だんだんのぼせてきたから、上がる事にした。


凄く暖まったから、汗が滲んでる。でも、本当に体中が暖まったわけじゃなくて、

全然冷たいままの所があった。

脱衣所に行くとより冷たい部分が主張してきた。


翔「風呂長い。俺も仁も待ってた。」

脱衣所にはもう2人が入って来ていた。


竜「そんなの勝手じゃん。」

俺は体を拭きながら言った。


まだ俺の鼻は少し赤かったのに、翔兄は気付かなかった。

仁は俺の顔を見て少し気まずそうに目を逸らした。

たぶん仁は気付いている。


それよりも、翔兄がそこまで自分の弟を気にしていない事に、

腹立たしさとと共に、なぜか寂しさを感じた。

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