恋愛学生
忘れられないあの人
静かに雪が降ってくる 冬。
前住んでいた所では雪があまり振らなかったので、とても新鮮なモノだった。
そしてその頃、私の人生も新鮮だった。
「山田・・・ちょっと来てほしいんだけど・・・」
私は上村に声をかけられたんだ。
人通りの少ない廊下へと連れて行かれた。
「あの・・・僕、山田の事が好きです!」
これって・・・告白? 告白・・・だよね?
私は少し戸惑った。
告白というモノを初めてされたんだ。
頭にはシュウトの顔が浮かんでた。
「ゴメン・・・私、他に好きな人がいるの・・・上村とは今まで通り、友達としてやっていきたいな。」
そういって、上村をフってしまった。
翌日、上村が私に告った事が学年全体に広まっていた。
たくさんの人から問いかけられた。
「ね~、何でフったん?」
「他に好きな人いるん!?」
「山田モテてるな~」
私は複雑だった。
シュウトとは、今どんな関係にいるんだろう?
付き合っている訳じゃないんだよね?
お互いが両想いなんだと知っただけなんだよね?
引っ越した今、シュウトの事を忘れるべきなのか。
ずっとシュウトを引きずったまま、時間だけが過ぎていった。