恋愛学生

忘れる思いで


私は決めた。
もう、シュウトは忘れると。
そして、今を見ようと。
上村とは、その後も仲良くやっていけた。
フったら気まずくなると思っていたが、そんな事はなかった。
逆に、今までよりも仲良くなっていた。

小学5年生。

引っ越してきてもう1年が経った。

進学して間もない頃、私はいつも通り靴箱へ向かっていた。
そして上靴を出すと同時に、白い紙も落ちてきた。
中を見るとそこには
「やっぱり俺は、山田の事が好きだ。付き合って下さい。 BY上村」
と書かれていた。
「上村・・・」
そんなに私を思ってくれてるのかな・・・?
私は嬉しかった。
何回も告白をしてきてくれて、こんなに私の事を思ってくれてる人がいるんだと。
もう、シュウトは昔の思い出なんだ。
私は授業中ノートを破った紙に
「ありがとう。よろしくお願いします(´∀`)」
と返事を書き、スカートのポケットの中にいれた。

上村と付き合う事に決意したんだ。

放課後、上村の元へ向かっていた時
「あ~ いたいた! ちょっと時間ある?」
カキッチに呼び止められた。
「あの・・・初めて喋るな~!」
「そうだね! てかカキッチ、どうしたの?」
このままだと上村が帰っちゃう!
私はさっさと要件を済ませたかった。
「実は・・・お前が引っ越してきた日から、ずっとお前の事が好きやってん!恥ずかしいけど・・・一目惚れってヤツかな。」
・・・。
告白。
このタイミングで告白ですか・・・
でも私はカキッチの事全然知らないし、上村と付き合う事にした。
私は、「これからも仲良くしていこう。」と、フってしまった。

それから一所懸命上村を捜したが、もう帰ってしまった様子だった。
私は、上村の靴箱にそっと紙を置き、帰宅した・・・
< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop