神様修行はじめます! 其の四

かなり大胆。


両腕と両足をビーンと伸ばして、頭から思い切り突っ込んだ。


ほぼヘッドスライディング状態。目算で2メートルは滑ったと思う。


いや、あの、確かに『とまれ』とは言ったけど・・・。


なにもあなた、そこまで気張って停止しなくても・・・。



お岩さんはベタッと地面に伏した状態のまま動かない。


あたしは恐る恐る近づいて声をかけた。


「お岩さん・・・だ、大丈、夫?」


「・・・・・・・・・・・・」



返事がない。


まさか度重なるショックのあまり、気を失ってしまったんじゃ?


「お岩さ・・・」

「・・・たい」

「・・・・・・え?」

「・・・痛いですわ」



・・・・・・・・・・・・。


そりゃそうだろう。


あれだけ派手に転べば、誰でも痛い。



「痛い・・・」

「大丈夫? ケガしたの?」

「痛い・・・痛い・・・」

「どこが痛い? 見せて」

「痛くて・・・死にそう・・・」


痛みを訴える声に、涙がまじっている。


地面に投げ出された両手が、ギュッと土を握りしめた。


「痛くて・・・痛くて痛くて・・・たまらない・・・」

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