神様修行はじめます! 其の四

・・・・・・・・・・・・。


どれくらい時間が過ぎたろう。


長かったような、逆にほんのわずかな時間だったような気もする。


聞こえ続けていたお岩さんの泣き声が、少しずつ、少しずつ小さくなっていって・・・。


じきに、何も聞こえなくなった。



静かになった空間に、どこかでさえずる小鳥の声や、牛たちの鳴き声が聞こえてくる。


春の風が吹き、彼女の髪を慰めるように撫でていく。


でもお岩さんは地面に伏したまま、身動きひとつしない。


まだ立ち上がれるだけの気力が湧かないんだろう。


あたしはその姿を見守り気づかいながら、ささやくような小声でそっと語りかけた。



「お岩さん・・・いいんだよ」


「・・・・・・・・・・・・」


「心の痛みが和らぐまで、いつまでだってそうしていて、いいんだからね」


「・・・・・・・・・・・・」


「あたしはずっと、いくらでもずっと待って・・・」


「・・・zzzzz・・・・・・」


「ちょっとお岩さん!? あなたまさか寝てんの!?」



思わず遠慮なしにデカイ声で叫んでしまった。


だって泣き声の代わりに聞こえてくるのは心地良さげな寝息の音。


・・・寝てる! 間違いなく寝てるよこの人!


き、気力が湧かないから立ち上がんないってわけじゃなくて・・・


気力と体力を使い果たしちゃったから、寝てたの!?


あのねえぇぇ・・・・・・!!
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