神様修行はじめます! 其の四
絹糸!? なんで!?
なんで小鳥の姿になっちゃったの!?
実は絹糸って、神獣以外の生き物にも変身できるの!?
「すごい便利じゃん! なんで今までもったいぶって秘密にしてたの!?」
「秘密にしていたわけでもないし、これは変身でもない。憑依じゃ」
「ひょうい? ウグイスの体に乗り移ってるってこと?」
「鳴き方のヘタなウグイスがおったろう? あれの体を借りておる」
「・・・ああ、門川の庭にいた、疑問形で鳴いてた若いウグイス」
「得手な術ではないがな。本来の我の本質とは異なる技じゃ」
ふうん・・・。でも、じゃあなんだってそんな真似を?
もうちょっと普通に訪問するわけにはいかなかったわけ?
「うむ。少々、こちらも事情が複雑になってきたんじゃよ」
そう言ってウグイス姿の絹糸がバサバサと枝から離れ、納屋の中へと飛び込んだ。
「小娘、早く戸を閉めよ。人に聞かれるとまずい」
納屋の床にチョコンと降りた絹糸が、小鳥特有の小首を傾げるしぐさであたしを見上げる。
すると、さすが血の絆のなせるワザ。
すぐにウグイスを絹糸と見破った子猫ちゃんが、大喜びで飛び付いた。
「にー! にー! にー!」
「こ、これ我が子よ! やめい!」
「子猫ちゃん! 無理無理! 今の絹糸には命にかかわるから、こらえて!」