神様修行はじめます! 其の四
それって親子の再会っていうより、まんま野生動物の狩猟シーンにしか見えない!
・・・って、コラコラ! 爪を出して親を押さえつけないの!
目が爛々と光ってるよ! 本能がむき出しになってないか!?
大急ぎで、子猫ちゃんの体の下で必死にバサバサしている絹糸を救出した。
九死に一生を得た絹糸が、あたしの手の中でゼエゼエ息をする。
「わ・・・我が子にあやうく殺されるところであったわ・・・」
ブツブツとつぶやきながら、クチバシで羽づくろいをする姿は、完全に鳥そのもの。
なりきってるなー。
「我の得意分野ではないのでな。どうにも鳥の本性を抑えきれずに引きずられてしまう」
「そうなの? 難しいんだね」
「さっきはうっかり、虫を飲み込みそうになったわい。それはともかく・・・」
黒い小さな宝石のような目がキラリと光った。
「権田原でも、どうもキナ臭いことになっておるようじゃな?」
あたしとお岩さんが顔を見合わせ、コクリと大きくうなづいて見せた。
上層部に届け出が出ているのなら、当然、あっちの方でも噂は広まっているんだろう。
「キナ臭いどころか、もう最低最悪な状況だよ」
「ふむ。長老の船が来ておるようじゃが?」
「うん。里の中に強引に乗り込んできやがったの。子作りマシーンが」
「着々と足場を固めて、権田原の逃げ場を封じるつもりなのであろう」