神様修行はじめます! 其の四
まだ何かを言いたそうだった絹糸が、思い直したように口をつぐんでしまった。
あたしが言い出したら聞かない性格なのを知ってるし。
納得できないなら、できるように行動させてやろうと考えているのかもしれない。
「じゃが実際、どうするというのじゃ?」
手の中から小さな頭だけをチョコンと出した絹糸が、クィっと首を傾げる。
「岩の父も、遥峰の母も、当事者はとうに墓の下じゃ」
「ふたりと親しかった人とか、誰かいるでしょ?」
「事情が事情じゃからのぅ。親しいからと言って秘密を打ち明けているとは限らんぞ?」
ふーむ・・・確かに。
そもそも里のみんなのノンキな様子からして、この重大な秘密を知っているとは思えない。
「でも、誰かひとりくらいは・・・」
「知ってる可能性がある人物が、ひとりいるだろ?」
「浄火!?」
いつの間にか、浄火が背後に立っていた。
うわ! 会話に夢中で全然気がつかなかった!