神様修行はじめます! 其の四
「あんた、聞いてたの!?」
「ああ、聞いてた」
「どっから聞いてたのよ!?」
「『岩と遥峰はのぅ・・・兄弟なんじゃよ』の部分から」
「最初っから聞いてたんじゃん!」
なんであんたがこんな所をウロついてんのよ!?
お岩さんの私室にいたんじゃなかったの!?
しかも盗み聞きなんて趣味が悪い!
「里緒を探してたんだ。そしたら・・・」
彼は言いにくそうに語尾を濁す。
「まあ・・・複雑な状況に遭遇しちまったわけさ」
そしてチラリとお岩さんを見た。
お岩さんが気まずそうに視線をそらして唇を噛みしめる。
あたしは浄火に詰め寄って襟元を掴み、怖い目をして脅しをかけた。
「浄火、いま聞いたこと誰かにしゃべったりしたら、タダじゃ済まないからね?」
「言わねえよ。安心しろ」
「ほんとだね? 誓えるね?」