神様修行はじめます! 其の四
「いやあ、友情ってのはいいもんだよなー。実に」
浄火が近づいて来て、あたしとお岩さんの肩をポンポン手の平で叩く。
お岩さんが邪険にその手を払い落とした。
「やめてくださらない? あなたに言われると、わたくしたちの高貴な友情が一気にバーゲン品みたいに聞こえますわ」
「照れるなよ。お前もけっこう可愛いとこあるな」
「・・・どこまでもポジティブな男ですわね。あなたって」
「そうそう。人生は前向きなのが一番だ」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前らの場合は前向きとは言わん! ただの極楽トンボじゃ!」
完全に置いてきぼりにされてる絹糸が、キーキーと叫ぶ。
「絹糸ってば、そうヒステリックに怒鳴らないでよ」
手の中の絹糸の小さな頭を、なだめるように指先でクルクルなでた。
心配してくれる絹糸には申し訳ないと思ってる。
門川君とのことだって、あたしは決して、どうでもいいと思ってるわけじゃないんだよ。
「ただね、あたしと門川君は・・・」
「我が、ただの恋のきゅーぴっど役のために、わざわざ来たと思うか!? そこまでヒマではないわ!」
「・・・へ?」
「門川でも怪しい雲行きになっておると、何度も言うておるじゃろうが!」
あ・・・。因業ババがらみがどうのって。
そういえばさっき、そんなことをチラッと言ってたよね?