神様修行はじめます! 其の四
「どうしたの? 何か問題でも起きているの?」
「起きておるわい! なのに、永久があの状態では心もとないゆえ、お前を連れ戻しに来たのじゃ!」
「いったい何が起きてるのよ?」
叫びすぎて声枯れしてる絹糸が、ゼエゼエと息を整える。
ようやく少し落ち着きを取り戻し、説明をし始めた。
「まだ表面化はしておらぬ。じゃから、気付いている者はごくわずかじゃ」
「なにが?」
「ふむ。じつは神の一族の力・・・」
「・・・・・・・・・・・?」
急に絹糸は黙り込み、くちばしを開けたままストップモーションになってしまった。
そのままピクリとも動かない。
「絹糸、どうし・・・」
「・・・・・・ホケキョ?」
「・・・・・・はい?」
「ホケキョ? ホー、ホー、・・・ホケ?」
「き、絹糸さん? もしもし?」
急にどうしたの? あ、まさかあたし、強く握りしめ過ぎたかな!?
意識混濁しちゃってるとか!? わっわっ、どうしよう!
慌てて開いた手の平から、絹糸はバサバサと飛び上がる。
そのまま猛スピードで空の彼方へ飛び去ってしまった。
「絹糸ー!? ちょっと、どこ行くのー!?」
「どうやら元に戻ってしまったようですわね」