神様修行はじめます! 其の四
進め! 宝船!
「・・・て、カッコ良くキメたわりには、あたしたちって見っともなくない?」
誰にも見つからないよう、頭を下げてへっぴり腰でコソコソ移動。
人影を見るたびビクビクしながら、ようやく船の間近まで近づいた。
菜の花畑の中に身をひそめ、宝船を見上げる。
「これではまるでコソドロですわ。わたくしの品性に傷がつきますわ」
「まるでコソドロっていうより、まんまコソドロなんだよお岩さん」
目立つわけにはいかないんだから、隠れて隠れて。
みんな隠れ・・・・・・
「・・・しま子・・・」
「うあ?」
「あの、もうちょっと小さくなれない?」
一面の黄色い花畑の中に、ひときわデカい小山のような、真っ赤っかーな鬼の体・・・。
元々が巨体なもんで、小さくなるにも限界がある。
いやあ、黄色と赤のコントラストって異様に目立つわー。
これじゃ隠れてる意味がない。
「・・・うああぁ~~・・・」
「い、いいよいいよしま子。無理なこと言ってごめんね?」
さて・・・と・・・。
立ち上がって見上げても、つくづくデカいわこの船。
素朴な里山の風景に、デーンと居座る豪華船って違和感丸出し。
「それにしてもどうやって中に入るのかしら?」
「出入り口らしい部分が見当たらないね」
仕掛け扉とか? 呪文を唱えると扉がパカッと開くとか?