神様修行はじめます! 其の四
「な・・・なんであんたもお岩さんも、こんなの見て平気でいられるのよ!?」
莫大な数のヘビが蠢いている光景を指さして、あたしは泣き叫ぶ。
うええぅ、ヘ、ヘビがグニョウニョ・・・
見てると意識が遠くなる。
口から魂が飛び出ちゃいそう・・・。
「わたくしは里山生まれの、里山育ちですもの。ヘビなんていくらでも室内に入り込みますわ」
「オレは島育ちだからな。よくウミヘビ捕獲して遊んでたし」
「ふたり共どんだけワイルド!?」
「ヘビは神の使いとして、非常に霊質の高い生き物ですのよ」
「けっこう賢いしな。友だちにもなれるよな」
「うちの里山のヘビは芸をしますのよ。お手とかお座りとか」
「ヘビのお座りって、なにそれ!?」
一瞬、ちょっとだけ見てみたいって好奇心が湧いちゃって、慌てて打ち消した。
ダメダメ、染まるなあたし!
「これだけ霊質の高いヘビが集まっているからこそ、あの海を渡ることが可能なんだろうな」
「さすがは神器ですわねぇ。たいしたものですわ」
目の前で交わされる、あまりにも平然とした会話・・・。
逆にこっちの感性の方が異常なのかと思えてきちゃう。
そのうちに、ヘビの集団の一部分が一斉に動き始めた。
何百といったヘビがグニョグニョと固まり、階段の形に変形する。