神様修行はじめます! 其の四
その端が、あたしたちの足元まで降りてきた。
まるでマスゲームのような整然とした動きに目を見張ってしまう。
ホントだ・・・。ヘビ、賢いかも・・・。
「さあ、行くぞ。これに乗るんだ」
「これに乗るの!? カンベンして!」
あたしの悲鳴をよそに、浄火がサッサと先へ踏み出す。
階段に足を乗せたかと思うと、彼の体が自動的にすぅっと上へのぼっていった。
ヘビが自分の腹筋で浄火を移動させてるんだ。
「ひえぇぇ、ヘビのエスカレーター・・・」
「んまあ! なんて便利なのでしょう!」
目を輝かせるお岩さんの横で、あたしは顔面から血の気が引く。
ヘビのエスカレーターっていうより、あたしには悪夢への階段にしか見えない・・・。
これに乗るって、どんだけハードル高いの?
「里緒、急げ。子作りマシーンが来ちまうぞ?」
「アマンダ。やっぱり島へはわたくしがひとりで・・・」
「い、いいい行くよ! 行きます!」
ゴクリと生ツバを飲み込むあたしの頭上から、ふたりの声が聞こえてくる。
友情がヘビなんかに負けるわけにはいかない!
お岩さんのためなら、生理的嫌悪感もなんのその!
さあ、あたし、勇気をふりしぼって!
と、片足を乗せた瞬間。
足の裏に伝わる不気味な生命反応に、怖気がぞわわぁっと襲ってきた。