神様修行はじめます! 其の四
・・・前回の雛型の事件。
あれで絹糸が、千才を軽~くオーバーしてるのが判明したでしょ?
いくら神獣ったって、さすがに寿命がきてもおかしくないよね?
だから本気で心配なんだよぉ。
「だからといって我が寝るたびに、鼻の上に手のひらをかざして息を確認するのは、やめい」
「だ、だってぇ! 見ただけじゃ、寝てんのか死んでんのか、分かんないんだもん!」
「我の身にもなれ。目が覚めるたびに、お前の心底怯えた顔が、真上にあるんじゃぞ?」
絹糸が、やれやれとため息をつく。
「あの顔を見ると、ほんに今日あたりお迎えが来そうな気がしてならぬわ」
「ちょっとやめてよ! 縁起でもない!」
「どっちがじゃ」
「あたしはね、心配して・・・・・・!」
―― ホー・・・・・・
言いかけた声に、ウグイスの鳴き声が重なった。
うわぁ、いい鳴き声!
天女が吹く笛の音って、こんな音色かなぁ!
心にじんわりと染み渡るような、うっとりする音色・・・。
「桜にウグイスかぁ。あぁ、日本人に生まれて良かったなぁ!」
「あれは桜じゃなくて梅の木じゃ」
「あ、そうなの? あたし実は、梅と桜って見分けがつかないんだよね」
「お前はほんに日本人か?」