神様修行はじめます! 其の四
―― くるんっ。
途端に、ヘビ女の首が元通りに戻った。
顔立ちも美少女に瞬時に変化。潤んだ両の瞳で浄火をキュン♪と見上げている。
い・・・いい根性してんじゃん。あんたって。
青い顔でゼエゼエ呼吸を整えているあたしの横で、一部始終を見ていたお岩さんが苦笑した。
「ヘビって、人間の女に似通っている部分がすごくありますのよ」
「ほんと・・・。男の前で裏表を使い分けるところなんか、人間の女ソックリ・・・」
「ヘビ女、オレ達を常世島まで連れて行って欲しいんだ。頼めるか?」
なにも知らない浄火がヘビ少女に頼み込む。
言葉が通じているのかどうか分かんないけど、ヘビ少女は可愛くコクンとうなづいた。
そして浄火の胸に頬を寄せ、こっそりヘビ顔に戻ってこっちを見てニヤリと嗤う。
『クケケ・・・』と声が聞こえてきそうなその表情に、あたしはぞおっと身震いした。
あ、あたしひょっとして、敵対視されてない?
もしかして恋のライバルに認定されちゃったんだろうか?
やめてー。
ただでさえ苦手なニョロ長系に、ターゲットロックオンされちゃったら生きていけないよぉ。
じっくり話し合えば分かるよぉぉー。
・・・ヘビと話したくないけど。