神様修行はじめます! 其の四

―― くるんっ。


途端に、ヘビ女の首が元通りに戻った。


顔立ちも美少女に瞬時に変化。潤んだ両の瞳で浄火をキュン♪と見上げている。


い・・・いい根性してんじゃん。あんたって。


青い顔でゼエゼエ呼吸を整えているあたしの横で、一部始終を見ていたお岩さんが苦笑した。


「ヘビって、人間の女に似通っている部分がすごくありますのよ」


「ほんと・・・。男の前で裏表を使い分けるところなんか、人間の女ソックリ・・・」


「ヘビ女、オレ達を常世島まで連れて行って欲しいんだ。頼めるか?」


なにも知らない浄火がヘビ少女に頼み込む。


言葉が通じているのかどうか分かんないけど、ヘビ少女は可愛くコクンとうなづいた。


そして浄火の胸に頬を寄せ、こっそりヘビ顔に戻ってこっちを見てニヤリと嗤う。


『クケケ・・・』と声が聞こえてきそうなその表情に、あたしはぞおっと身震いした。


あ、あたしひょっとして、敵対視されてない?


もしかして恋のライバルに認定されちゃったんだろうか?


やめてー。

ただでさえ苦手なニョロ長系に、ターゲットロックオンされちゃったら生きていけないよぉ。


じっくり話し合えば分かるよぉぉー。


・・・ヘビと話したくないけど。

< 207 / 697 >

この作品をシェア

pagetop