神様修行はじめます! 其の四
「あら? あれは海じゃありませんの?」
ヘビに睨まれたカエル状態で脂汗をだらだら垂らしていると、お岩さんが声を上げた。
差された指先をまっすぐ目でたどると・・・
「・・・うわあぁ! なにあれー!?」
陸地の向こうの完全に開けた視界に、一面の大海原が大展開していた。
果てなく広がるその光景は、まさしく海と呼ぶものだろう。
だけど・・・・・・
「オーロラだ! 海の水がオーロラだ!」
アラスカとかで見られる、あのオーロラそのものが目の前にあった。
黄緑色、緑色、ピンク、赤、紫、黄。
微妙に混じり合った色彩の、天に揺らめく巨大なカーテンそっくり!
違う点は天から降る光ではなくて、オーロラが地に横たわっているところ。
カーテンが風に揺れるようなあの動きが、ちょうど波の動きになっている。
神秘極まる目の前の光景に、あたしとお岩さんは歓声を上げた。
「なんなのー!? なんなのあれ!?」
「なにって、だから海だろうが」
「海ですの!? あれが海ですの!? あれのどのへんが海ですの!?」
「どのへんもなにも、全部海だよ」
「「キャー! 綺麗ーー!」」
まさか真っ昼間から、こんな見事なオーロラを見るなんて。
なんて幻想的なんだろう! 夢の世界のよう!