神様修行はじめます! 其の四

じょうか・・・・・・。


天内 浄火・・・・・・?


あたしと同い年くらい? いや、ちょっと年上か?



黒い長めの前髪が、サラリと自然に流れて揺れている。


真っ直ぐ上向いた、形の良い、スッキリした眉。


ちょっと吊り目がちだけれど、ハッキリとした、綺麗な二重まぶた。


その両目があたしの真ん前で、上から見下ろしている。



あたしは大口を開けたまま、そいつを見上げた。


そうして無言で、あたしたちはお互いの目を見つめ合った。



この人も天内の末裔なの?


滅火の一族は死に絶えて、あたしひとりだけだと思っていたのに。


・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。



・・・はっ!?


し、しまった。あまりの非常事態に、一瞬我を忘れてしまった。


気がつけば、周囲の空気がシーンと静まり返っている。


大広間中の視線が、全部あたしに集中していてビビッてしまった。



な、なに!? ひょっとしてあたし、すごい感動的なご対面シーンを期待されてない!?

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