神様修行はじめます! 其の四
「しま子、手ぇ離さないで! お願い! 絶対に離・・・!」
哀願むなしく、しま子はあたしとお岩さんの手首をパッと離す。
うわあぁぁん、やっぱりお約束~!
待ったなし、空中ブランコ初体験の強制スタート。
内臓が引っくり返りそうなほどの急降下に、耳元で風がゴオォォォッと唸る。
うっわああ、落ちてる落ちてるぅ!
そしてすぐさま浮上。急速な視界の変化にぐるぅんと目が回る。
ひぃええぇ、上がってる上がってるぅ!
―― ぽおぉぉーーーん・・・
絶妙のタイミングでヘビ少女が手を離し、ブランコから放り出されたあたしは宙を飛んだ。
飛んでる・・・飛んでるぅぅ!
全身の汗腺から冷や汗がドッと出て、もう無我夢中。何も考えられない。
お岩さん! お岩さんの手だけは離すもんか!
それだけを思い、あたしは必死になってお岩さんの手をつかんでいた。
―― ・・・ボスン!!
(うっぐぅぅぅ~~・・・!)
地面に不時着したとたん、全身にビリビリッと衝撃が駆け抜けて息が止まる。
顔を強くしかめながら、あたしはジッと痛みをやり過ごした。
で、でも、骨が砕けるほどの衝撃を覚悟していた割には、そうでもなさそう・・・?