神様修行はじめます! 其の四
―― ゴゴゴ・・・
地響きのような音が聞こえて振り向くと、船が今まさに沈むところだった。
光る海の深淵に、あの巨船が静かに飲み込まれていく。
島からの位置から考えれば浅瀬な場所のなずなのに。
やっぱりこの海は恐ろしい魔性の海原なんだ。危なかった・・・。
ペチペチと軽い音がする方を見ると、伸びている浄火の頬をヘビ少女が心配そうに手の平で叩いている。
「う・・・あれ? オレら助かったのか?」
目を覚ました浄火が頭を振りながら起き上がった。
ヘビ少女が泣き笑いのような表情を浮かべて、浄火の胸にギュッと抱き付く。
「うあああぁぁ~~う!」
いつの間にかしま子も無事に船から脱出していて、あたしを抱きしめて泣きながら頬ずりしている。
良かった、どうやら全員助かっ・・・
・・・ってない! お岩さん!
砂浜に横たわっているお岩さんの様子を確認すると、彼女は意識不明のまま。
症状は進行していて、体はますます透き通ってしまっていた。
もう体の下の砂地が透けて見えてる!
このままじゃお岩さんが死んでしまう! お岩さんが、死ぬ!?
青ざめたあたしは悲鳴を上げて、彼女に抱き付いた。