神様修行はじめます! 其の四
「・・・・・・良かったーーー!!」
思わず両手で大きくバンザイをしながら、飛び上って叫んだ。
「本当に本当に良かった!! ああ、良かったあーーー!!」
張りつめた不安と緊張感から解放され、体から一気に力が抜けていく。
砂地にバタッと倒れながら、あたしはボロボロ泣いてしまった。
「う・・・良かっ・・・うっうぅ・・・」
「メソメソするんじゃないよまったく。あたしゃ湿っぽいのはごめんだよ」
「だって勝手に涙が出てきちゃうんだもん・・・」
本当にお岩さんが死んじゃうかと思った。
大好きな親友を守り切れずに、目の前で死なせてしまうかと思ったんだ。
この島へ来た目的も果たせず、セバスチャンさんに二度と会うことも叶わずにお岩さんを死なせてしまったら・・・。
それはあたしの責任だ。一生、悔やんでも悔やみきれないよ。
すっごくすっごく、本気で怖かったんだ。
「あ、そういえば主さんは、どうしてここへ?」
「化け猫に頼まれたんだよ。あたしならこの海を渡れるだろうから、小娘たちを助けてやってくれって」
「絹糸が?」
「何べんも頭を下げて頼まれちまってねぇ。あいつとも長い付き合いだしね、むげにもできないさ」
絹糸・・・・・・。
きっとあの後すぐ、主さんに助けを求めてくれたんだ。