神様修行はじめます! 其の四
あたしの隣に、ドサッとあぐらをかいて座り込む。
袖と袖が触れ合うほど至近距離。
男は斜め後ろのババに向かって、遠慮のない大声で叫んだ。
「おい、でかしたぞ信子ババ! この子、すげえ可愛いじゃねえかよ!」
の・・・・・・
信子、ババ・・・・・・?
って、あんた長老相手にババ呼ばわり? そんな失礼な。
あ、いやいや、あたしはあくまでも、心の中でだけだからね?
一応、表立って問題発言はしないよう、わきまえてますから。
あたしでさえそうなのに、正々堂々、しかも『信子ババ』って・・・。
蔑視してるのか、フレンドリーなのか、よう分からん。
「浄火よ、公式の場であるぞ。控えよ」
ババにたしなめられても、彼は気にするそぶりも無い。
こっちを振り返り、いきなりグッと顔を接近させてくる。
あたしはビクッとして思わず体を引いてしまった。
「天内 浄火だ。末永く、よろしく!」
勝手にあたしの手を強く握りしめ、ブンブンと上下に振る。
「共に幸せを目指そう! オレの嫁よ!」
オ・・・・・・オレの、嫁?
あたしは限界ギリギリまで開いた両目で、ポカンと彼を見返した。
さっきからずっとまばたきしてない目は、もう乾燥の極限値。
なんなのこの人。インパクトでか過ぎ。