神様修行はじめます! 其の四
しま子も安心したのか、両手で顔を覆ってグスグス嬉し泣きしている。
お岩さんはしま子にも優しく笑い掛けた。
「心配をかけてごめんなさい。なんだか不思議な感覚でしたわ。知らない場所にスポンと落ちたような・・・」
「そういえば、いま気がついたけどお岩さんの体って全然濡れてないね」
「ええ、水の中に落ちた感触はまったくありませんでしたもの」
そしてお岩さんはゆっくりと起き上がろうとする。
あたしは慌てて彼女の体を押さえた。
「お岩さん動いて大丈夫? 無理しないで」
「もう平気ですわよ。・・・・・・あら?」
上半身を起こしたお岩さんの目が、主さんに釘付けになった。
「ずいぶん綺麗な白ヘビですこと! こんなヘビ、初めて見ましたわ!」
「もうすっかり良いようだねぇ。あんた、あたしに感謝しなよ?」
「んまあ! このヘビったらしゃべりますの!?」
「あ、そういえばお岩さんと主さんって、お互い初対面だっけ?」
あたしはお岩さんと主さんを、それぞれに紹介した。
「こちら、門川の沼の主さん。こちら、権田原一族当主の権田原 岩さん」
「アマンダ、わたくしの名はジュエルですわ」
「そ、そうだったね」