神様修行はじめます! 其の四
「これこれ、こんな時に仲間内でケンカなんかするもんじゃないよ」
気まずい沈黙が流れる中、主さんが空気を変えた。
お岩さんもあたしの肩に手を置き、なだめようとする。
「アマンダの気持ちは良く分かりますけれど、クリスティーヌちゃんの言う通りですわ」
「今度その名であたしを呼んだら、絶対に許さないよ!」
「浄火、もう永久様の事を悪く言うのはおやめなさい。次はありませんわよ?」
「・・・分かったよ。とにかく長の所へ急ごうぜ」
不機嫌そうにそう言って浄火が先に歩き始める。
あたしは大きく息を吸って胸の内の怒りを抑え、頭を冷やした。
あたしのせいで場の空気を悪くしちゃったな・・・。
浄火は門川君の事情を知らないんだから、しかたない。そんなに悪気は無いだろうに。
でもさ、彼の悪口を言われたらとても平気でなんかいられないよ。
「おい、まさかお前らもついて来るつもりか?」
ヘビ少女が浄火の後を追うようにスルスルとついて行く。
しま子も当然、あたしにピッタリくっついて離れない。
浄火は困惑顔になった。
「お前の姿を見たら、村が大騒ぎになっちまう。皆は異形のモノを見たことないんだよ」
「見たことがない? ここには異形のモノが住んでいないってことですの?」