神様修行はじめます! 其の四
・・・・・・・・・・・・。
あたしは思い切ってヘビ少女に駆け寄った。
そして彼女の首輪に右手をかざし、精神を集中する。
「・・・・・・!?」
「大丈夫だよ。ちょっとの間、じっとしてて」
「・・・・・・?」
ヘビ少女は警戒しながら身を固くして、今にも逃げ出しそうだ。
人間になにをされるのか不安なんだろう。
「待って待って、心配ないから。今・・・この首輪を・・・」
手の平全体がトクントクンとリズミカルに脈打つ感覚。
集中・・・集中・・・このままこのまま・・・。
熱い血潮が、少しずつ指先から流れて伝わって・・・・・・
―― ボッ!
首輪が極薄の炎の膜に包まれ、赤く燃え上がる。
ほんの一瞬で黒く燃え尽き、ボロボロッと音をたてて粉々に崩れ落ちてしまった。
「やった成功! 滅火の炎の変形技だよ!」
初の試みだったけど、対象物が小さかったから何とかうまくいったみたいだ。
ヘビ少女はわけも分からない顔で、砂の上の首輪の残骸をポカンと見ている。
恐る恐る、自分の首を両手で確認した。
首輪が外れたことをやっと理解したようで、白い頬にパッと鮮やかな赤みが差す。
そして大きな両目をさらに大きく丸くして、あたしのことを見た。