神様修行はじめます! 其の四
「連れてってあげるわけにはいかないけど、せめて自由になって欲しくてさ」
「・・・・・・・・・・・・」
「もうこれで人間に利用されなくてすむからね」
宝船を動かすために人間に利用されていたヘビ少女。
でも、もうそんな必要ないんだもん。こんな首輪なんかいらないよ。
「危ない里緒! ヘビ女から離れろ!」
浄火が顔色を変えて叫んだ。
「使役するための首輪を外したりしたら、本能で暴れ出しちまうぞ!」
「大丈夫だよ。そんな心配ないから」
「そうですわ。この子はそんな子じゃありませんわ」
お岩さんもヘビ少女に向かって微笑む。
うん。あたし達には分かるんだ。この子の気持ちが。
人間の男の子に恋してしまった異形のモノ。
それはこの世界から見れば、到底「普通じゃない」ことなんだろうけど。
でもあたし達はヘビ少女を「普通に」理解できるんだよ。
なんの不思議もないことだよ。だってさ・・・・・・
あたし達も、恋する女の子だからさ。
「ね? 同じだもんね?」
「・・・・・・・・・・・・」