神様修行はじめます! 其の四
島の内情
「大丈夫ですわ、アマンダ。またすぐにしま子と会えますわ」
「あんた、しっかりおしよ。情けないねぇ」
「・・・うん・・・ごめんね」
ふたりに慰められて、あたしは鼻をこすりながらうなづいた。
そうだよね。メソメソしてちゃダメだ。しっかりしなきゃ!
気を取り直して胸を張り、キリッと前を向く。
そして枯れて変色した植物に覆われた砂場を力強く進んでいった。
「しっかし、ずいぶんと歩きにくいね」
「ドレスの裾が引っ掛かりますわ。大変な悪路ですわね」
うーん、やっぱり殺風景。寂れた島だとは聞いてたけど、予想以上かも。
見える景色は植物の緑より、岩や崖の灰色ばかり。
山も川も見当たらないし、そういやさっきから虫一匹すら見てない。
自然の豊かさや、美しさみたいなものがここには全然ないんだ。
浄火が権田原の景色にえらく感動してたけど、それ、良く分かる。
あちこちキョロキョロしながら歩いていると、いつの間にか浄火があたしの隣を歩いていた。
足元に視線を落としつつ、小さな声で話しかけてくる。
「里緒、あのさ・・・」
「ん? なに?」
「お前、やっぱりあの門川当主のこと・・・」
「門川君が、なに?」