神様修行はじめます! 其の四

さすがに人が住んでる場所らしく、多少は活気や温もりが感じられる。


家の周りに置かれてるザルなんかの生活用具が、なんかホッとさせてくれるなぁ。


ん? あっちに見えるのは小さいけど畑かな? お、向こうに牛の群れも発見。


「浄火! 浄火お帰り!」


村人らしき若い男女数人が駆け寄ってきて、嬉しそうに浄火を取り囲んだ。


浄火も笑顔で村人の顔を見回す。


「おう、みんな! 今帰ったぜ!」


「無事に帰って来られて良かったなあ、浄火!」


「ねえねえ、あっちはどんな風なの!? 建物は!? どんな人がいるの!?」


「どんなもの食ってきたんだ!? もったいぶらないで教えろよ!」


全員が目をキラキラさせて浄火を質問攻めしてる。


へー・・・これが常世島の住民・・・?


藍色や緑色に染められた無地の着物を、腰の辺りの一本のヒモで縛っている。


髪はダラリと垂らしたり、簡単に結わえてるだけ。


パッと見、飛鳥文化のミックスな印象。


女の人は小枝で作られたかんざしみたいなもので髪を飾ってるけど。


なんつーか、みなさん全体的にシンプル・イズ・ベスト?


小石を繋げたブレスレットとか身に付けてるけど、それ以外には装飾品らしいのは見当たらない。

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