神様修行はじめます! 其の四

「鬼の体が炎に包まれたぞ!?」

「ひいぃ! 逃げろ!」


近くに座っていた当主たちが、大急ぎで逃げ出した。


あたしは信じられない思いで、赤い炎に包まれたしま子を呆然と見上げる。



・・・滅火の炎だ! 間違いない!


他の人には普通の炎と見分けがつかないだろうけど、あたしには分かる!


ということは、やっぱりこの男は、本当に天内の・・・!?



凍雨くんや塔子さんやマロさんが、血相変えてこっちに駆け寄って来た。



「天内さん!」

「里緒!」

「里緒殿! この炎は!?」

「がああ! がああぁぁーーー!」

「し、しま子ーーーーー!」



しま子が炎の中で、もんどり打つほど苦しんでいる。


激しく手足をバタつかせ、絶叫する口から泡を吹き始めた。


こ、このままじゃ、しま子が死んじゃう!



「嫌あ! しま子ぉ!」


悲鳴を上げてしま子に飛びつこうとするあたしを、凍雨くんが抑え込む。



「天内さん! 危ない!」


「放して! しま子が! しま子が!」


「小娘よせ! 飛び込むのは危険じゃ!」


「しま子ーー! 死なないでーー!」



凍雨くんの腕の中で、あたしは必死で泣き叫んだ。


このままじゃ、しま子が滅せられてしまう!


誰かお願いだから、しま子を助けてー!

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