神様修行はじめます! 其の四

村を抜けて進むごとに、どんどん味気ない景色に戻っていく。


道のうえには、大きくてゴツゴツした石がごーろごろ。


大小さまざまな形の石を踏み越えて進まなきゃならないから、バランスが崩れて大変。


お岩さんなんて何度も転びかけて悲鳴を上げてる。


うぅ、歩くだけで体力消耗する! 息が切れるよぉ!


「ま、まだ、着きま、せんの・・・?」


「島の長って、ずいぶん、辺鄙な所に、住んでんだね? エライ、人なのに・・・」


「エライ人だからだよ。一般人と同じ場所にゃ住めないだろ?」


「そ、そう、です、わね・・・」


「そう。格ってもんがあるからな。もう少し先に祭殿があるから頑張れ」


「祭、殿?」


「島で一番神聖な場所だ。代々の長はずーっとそこにひとりで住み続けてる」


そ、そうか。もう少しか。頑張ろ。


涼しい顔で進む浄火の後を、肩で息をしながら懸命に追う。


「きゃっ!」


「お岩さん、大丈夫?」


「権田原、ほら、手ぇ引いてやるから」


「へ、平気ですわ。お気遣いは無用ですわ」

< 277 / 697 >

この作品をシェア

pagetop