神様修行はじめます! 其の四
村を抜けて進むごとに、どんどん味気ない景色に戻っていく。
道のうえには、大きくてゴツゴツした石がごーろごろ。
大小さまざまな形の石を踏み越えて進まなきゃならないから、バランスが崩れて大変。
お岩さんなんて何度も転びかけて悲鳴を上げてる。
うぅ、歩くだけで体力消耗する! 息が切れるよぉ!
「ま、まだ、着きま、せんの・・・?」
「島の長って、ずいぶん、辺鄙な所に、住んでんだね? エライ、人なのに・・・」
「エライ人だからだよ。一般人と同じ場所にゃ住めないだろ?」
「そ、そう、です、わね・・・」
「そう。格ってもんがあるからな。もう少し先に祭殿があるから頑張れ」
「祭、殿?」
「島で一番神聖な場所だ。代々の長はずーっとそこにひとりで住み続けてる」
そ、そうか。もう少しか。頑張ろ。
涼しい顔で進む浄火の後を、肩で息をしながら懸命に追う。
「きゃっ!」
「お岩さん、大丈夫?」
「権田原、ほら、手ぇ引いてやるから」
「へ、平気ですわ。お気遣いは無用ですわ」