神様修行はじめます! 其の四

「ただの動物相手なら、わたくしなら手懐けられるかもしれませんわ」


「たぶん無理だな。一応は異形のモノなわけだから、純粋な動物じゃない」


「中途半端で一番厄介な種類だねぇ。ちょいと天内の娘」


「は、はい?」


「ここはあんたの出番決定だね。しっかり任せたよ」


「・・・・・・・・・・・・」


お、お任せコースで、設定されてしまった。


あたしはゴクッと空気のかたまりを飲み込み、不安を横へ押し退ける。


だ、大丈夫! あたしが約束通り、ちゃーんと守ってみせるよ!


なにが出てこようが問題ない! これまで通り滅火の力で退治しちゃうもん!


・・・・・・・・・・・・。


滅火の力、効果あるよね? 変形クマ相手でも。


―― ぬうぅっ!


「うわっ、何!?」


不思議な気配が、『呼んだ?』と言わんばかりのタイミングで漂ってきた。


さっそく来たの!? 別にわざわざご丁寧に顔出さなくてもいいのに!


と、とにかく戦闘開始だ!


「みんな、下がって!」


あたしは敵へ視線を走らせ、素早く相手の姿を確認する。


そして・・・


その姿を見た途端、せっかく高めたあたしの戦闘意欲は見事にボロッと抜け落ちた。


・・・・・・なに? これ・・・?


「出たぞ! みんな気を付けろ! こいつがここら辺で主流の異形のモノだ!」

「・・・ねえ、浄火・・・」

「どうした里緒!?」

「あのさ、これさ・・・」


ボーっと突っ立ったまま、あたしは浄火に念を押した。


「マンモス・・・だよね・・・?」


・・・なんで? なんで一万年前に絶滅したマンモスが、目の前にいんの?

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