神様修行はじめます! 其の四

と、訴えたいけど声も出せない。


口を開けば舌を思い切り噛んでしまいそう。


つくづくあたしって動物運が悪くない?


巨大ミミズのジュリエッタ達には懐かれるし、ヤクザなペンギンには凄まれるし。


あげくの果てにマンモスだよ。


家系かな? うち特有の特異体質かなんかだろうか? 


うっかりゴジラとかガメラとか、あのへんの生物を引き寄せちゃったらどうしよう。


「里緒、頑張れ! いま助ける!」


浄火が顔を真っ赤にして必死に精神を集中している。


彼の体の中で、少しずつ天内の血が熱く滾っていくのが感じられた。


「もう少し、もう少し・・・耐えてくれ!」


力に目覚めて間もないから、コントロールに時間がかかるんだ。


あたしも最初の頃はずいぶん苦労したから分かる。


あたしの場合は能力云々より、性格に問題があるって門川君に言われたけど。


「あんた、早く助けなよ! なんだかコイツ、やたら興奮してきてるじゃないかい!?」


焦った主さんの言葉通り、マンモスは気が昂ぶってきていた。


動きが乱暴になり、あたしを扱う力がどんどん強まっている。


倒して転がすっていうよりも、ほとんど殴りつけられてる感じだ。


痛い! 痛い! こ、このままじゃ骨折させられてしまうー!


いや、骨折ならまだしも、一番恐ろしいのは・・・!

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