神様修行はじめます! 其の四

「よーしよし! あなたはとっても良い子ですわ!」


偉業を成し遂げたお岩さんが、マンモスに向けて満足そうに微笑む。


「あなたをハインリッヒちゃんと命名しますわ!」


・・・ハインリッヒぃ!?


どっから出てきたの!? その『ハインリッヒ』!


「もう心配ありませんわ。この子はわたくし達の新しい仲間です」


ハインリッヒはやたらノンキな顔して、長い鼻をぷーらぷら動かして遊んでる。


さっきまであたし達を踏み潰そうとしてたことなんて、どこ吹く風だ。


『は? 踏み潰す? なにそれ誰の話なの?』 って感じ。


こりゃ本当に、完全にお岩さんに手懐けられちゃってるね。


すごいなぁ、お岩さんの能力って。さすが権田原一族の当主だ!


「まさかマンモスまでねじ伏せるなんてね」


「別にねじ伏せたわけじゃなくて、彼が仲間になってくれたのですわ」


お岩さんはちょっと得意そうに笑う。


「頼めば芸もしてくれますわよ?」


「ほんと? じゃあやってみて」


「ハインリッヒちゃん! アマンダにお手・・・」


「やっぱりいらないやらなくていいー!」


こらハインリッヒやめろーー!!


その前足、こっちに下ろすなー!!

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